天秤座の象意
- Momo ジョーティッシュ
- 2024年3月1日
- 読了時間: 4分
更新日:2月10日

13星座における、天秤座の象意についてお話致します。
エレメント:風
陰陽:男性
活動性:運動
関連惑星:金星(土星)
その他:金星がムーラトリコーナ、定座、太陽が減衰、土星が高揚
ナクシャトラ:スヴァーティ・ヴィシャーカー
表示体:7ハウス
キーワード:
・昇華
・変換
・観察・中立・客観
・冷静・調和
天秤座は、風のエレメントを持ち、陰陽は男性、活動性は運動、関連惑星は金星(土星)、7ハウスの表示体です。
精神的な発展のプロセスは乙女座から始まります。乙女座の高い情報処理能力や批判的視点でこの世の虚構に気づき、天秤座でそれらの情報を観察し、蠍座で外部との繋がりを断つ事で内省し、蛇遣い座で真実に触れる事になります。つまり、乙女座〜蛇遣い座までの星座、また、6〜9ハウスは、精神的な発展のプロセスにおいて、とても重要なハウスになります。
乙女座のプロセスで、この世の嘘に気づくことで、私達は精神的な混乱を経験します。乙女座は、ミクロな視点のために、ネガティブに触れるとそのまま深い所へ落ちてしまう罠に嵌ります(二元論の罠)。私たちは、目の前に起こる出来事や自分自身の感情を、善い・悪いとジャッジしてしまう事で、ものの見方が偏り、ジャッジした通りの現実を、自分の意識によって作り出してしまいます。本来は、湧き上がる感情や出来事に一喜一憂する事なく、ただそこにあるものとして、自分と切り離してありのままを観察するべきなのです。
ほとんどの人間が、この二元論の罠に落ちていく中で、天秤座は、乙女座のプロセスで大量に入り込んでくるネガティブな情報や感情から自分を切り離し、冷静にあるがままを観察する重要なプロセスを担います。
天秤座の表示体である7という数字は、完全数を現します。1週間は7日です。ユダヤ教やキリスト教で定められている7大天使、古代カバラ錬金術では7つの金属があります。ヨガのチャクラは7つ、音階は7つ、太陽系の惑星は7つであり、自然界や宗教などでも7つの要素で完成されるものが多く存在します。
また、13星座の中で、7ハウスはちょうど中心となる数字です。マヤ暦では13の音に応じて補完関係があり、1−13、2−12、3−11、4−10、5−9、6−8となり、最後の音7だけは補完関係がない完全数として扱われます。天秤座は、13星座の全てのプロセスを通して、冷静にその出来事を判断せずに観察し続ける、独立された監督の役目を果たします。
エレメントは風、陰陽は男性である事から、冷静でドライな面があります。客観的な観察眼に長けていますので、周りの空気を読む事、自分が他人からどう見られているか、評価をとても気にします。調和を重んじるために、争いを好まず人当たりがよく優しい気質を持ちますが、それは、相手の感情に共感して心から寄り添う気持ちからではなく、相手の評価を気にしての冷静な行動であったりします。
支配星が金星という事もあり、調和やバランスの取れた美しさを求める傾向があります。同じ金星が支配星である牡牛座は、独特な雰囲気の芸術を好む事がありますが、天秤座の場合には万人に好かれる様な洗練された美しさを好みます。
風は情報を司る事もあり、天秤座の人には多くの情報が入ってくる事になります。運動星座でもあるために、自分で情報を追い求めて集める事も多いです。それゆえに、ポジティブな情報もネガティブな情報も多く入っていきます。
天秤座はバランスや調和を取ることがテーマではありますが、天秤の秤のバランスを取るためには、左右の秤が大きく揺れ動きながら最終的にバランスを取っていくように、時に秤のバランスが崩れて極端に考えてしまう傾向があります。運動星座でもあり、土星が高揚する星座でもあるために、極端に考えたゆえに、それが調和のとれたものと思い込んでしまい、極端で冷徹な行動に出てしまう事もあります。これは、支配星である金星の状態や、ホロスコープ上での特定のハウスへのステリウム(惑星集中)などによって起こる可能性があります。
天秤座は13星座の中で、モチーフの中に有機物のない唯一の星座です。ですので、生物としての情念や葛藤に影響されず、独立した完全数として、ただあるがままを観察するだけの冷静な視点でいる事が可能な唯一の星座でもあります。乙女座で気づく事ができなければ精神的な成長が進まないのと同様に、天秤座で二元論から抜け出さなければ先に進むことはできません。今、混乱の時代を生きる私たちにとって、天秤座は最も必要である感性と言えるでしょう。